抑制して良いプレイを引き出そう
無くて七癖という。
そう、人は誰しもその人なりの癖を持っている。
癖を別の言い方で表現すると、「反射」ということもできると思う。
こういう状況になったら思わずこう反応してしまう、という反射。
理屈では説明できない。
そこに意思は関係ない。
意思に関係なく身体が思わず反応してしまうだけだ。
そして、反射的に反応していることを自分でも気づかなかったりする。
最近、アレクサンダー・テクニークに関する本を読んだ。
ペドロ・デ・アルカンタラ著『実践アレクサンダー・テクニークーー自分を生かす技術』という本だ。
その中で、アレクサンダー・テクニークの方法の一つとして「抑制」ということが挙げられていた。
抑制。
抑えて制すること。
では、なにを抑えるのか
こういう状況になったら思わずこう反応してしまう、という反射的な反応を抑えるのである。
反射的な反応を抑えることによって、音楽だったり踊りだったり演劇だったりの、良いプレイを引き出すという方法論。
悪い癖を止めることによって、つまり良いプレイを邪魔する要素をなくすことによって、良いプレイができるようになるという考え方である。
さて、昨夜はライヴであった。
バンドのライヴでステージに上がると気分が高揚する。
高揚するとドラムを強く叩きたいと自然に思うし、力も入る。
それは必ずしも悪いことではない。
それがライヴの醍醐味である。
演者にとっても観客にとっても。
けれど、それが裏目に出ることもある。
高揚して力が入ってということを繰り返していると、やがてそれが癖となって、良いプレイへの足かせになってくることがある。
今はもしかしてその状況にあるのかも。
そこを改善すれば今のプレイがずっとよくなるのではないか?
そう考えた。
よし、条件反射的に染み付いている心と身体の反応を抑制しよう。
昨夜は、そうして挑んだライヴだった。
アーカイヴは7月17日まで。