許光俊著『クラシックを聴け!』
なんとなく許光俊著『クラシックを聴け!』という本を読んでみた。
クラシックを聴いてみたいと思ったのかどうか、それは分からない。
たまたま目に入っってちょっと気になったから読んでみた。
それだけのことだ。
結論から言うと、とても面白い本だった。
クラシックを聴きたいと思わせられた。
そもそも、クラシックって何をどう聴いたらいいのかが分からない。
分からないから眠くなってしまう。
実際寝てしまう。
だからちゃんと聴いたことがない。
そういう取っ付きにくいクラシックの聴き方を、ポイントを絞って分かりやすく、しかも興味深い切り口で教えてくれる。
『クラシックを聴け!』はそんな本だった。
クラシックには基本となる構造があるという。
混沌から調和へ。
その時重要なポイントとなるのが二元論だ。
「善」と「悪」、「陰」と「陽」、「天」と「地」。
正反対のもの同士が混沌を作り、それが紆余曲折を経て調和へと向かう。
それがクラシックの基本構造のようだ。
なるほど!
発想がすごく西洋的だなと妙に納得した。
対立を乗り越えて、より良いゴールへと向かう。
弁証法的発想。
その過程をフレーズというか、テーマというか、相対する二つの主題で表現したものがクラシック音楽なのだ。
単純化しすぎた話かもしれない。
それでいい。
それくらいが丁度いい。
クラシックという音楽のフォーマットと、それ特有の聴き方を知れただけで充分だ。
そして、クラシックの歴史はそのフォーマットの中での、作曲家による創意工夫の歴史だということが知れただけで。