思いがけなく手に入れた「聴き比べセット」
居酒屋などでたまに見かけると思うのだけど、日本酒の「飲み比べセット」のようなものがある。
例えば3種類ほどの日本酒が少量ずつ出てきて、飲み比べながらそれぞれの日本酒の味の違いを楽しむという趣向のものだ。
あるいはそれは、ワインでもいいし、生牡蠣なんかでもあるかもしれない。
ビール工場の見学に行くと、ビールの飲み比べセットなんてものもある。
そうやって飲み比べてみることで、ただ一種類のものだけを味わっていた時には気がつかなかった特徴を理解できたりするものだ。
先日、昨年亡くなったブルースマン、オーティス・ラッシュの代表曲「I Can't Quit You Baby」を聴いていた。
有名曲だけあって、この曲は色々な人たちにカヴァーされている。
試みにそれを聴き比べてみようと思った。
単なる興味本位で。
その時のリストはこちら。
I Can't Quit You Baby on Spotify
いろいろ聴いてみて気づいた。
本来は、「I Can't Quit You Baby」という曲への理解を深める目的で聴き始めたのにも関わらず、これはカヴァーした人たちの特徴を理解する手段になっているなぁ、と。
オーティス・ラッシュ、ローリング・ストーンズ、ジョン・メイオール、レッド・ツェッペリン、リトル・ミルトン、ジョン・リー・フッカー。
同じ曲をいろいろな人たちのヴァージョンで聴き比べるというのは、同じ曲であるだけに、かえってそれぞれの特徴がよく現れていた。
思いがけなく手に入れた「聴き比べセット」、いや、「利き比べセット」であった。