束の間のハッピータイムなのかもしれない
駅の改札を出るとすぐ、デパートへ上がるエレベーターが見える。
そのちょっと手前で、デパートの関係者と思われる方がクリスマスケーキを売っている。
バックでは、フランク・シナトラが歌う「ジングル・ベル」が流れている。
その様子を横目で見ながら、その前を横切った時、「これからいよいよクリスマス本番が始まるんだな」と実感した。
今まで無関心だったクリスマスというものに、今年は無関心ではいられない。
だから気に止まった光景。
そしてしばらく、クリスマスというものに思考をめぐらす。
クリスマスというものは、束の間のハッピータイムなのかもしれない。
辛い時間を過ごしている時。
厳しい時間を過ごしている時。
あるいは平凡で退屈な時間を過ごしている時。
どんな時にも、クリスマスは皆に平等にやってくる。
今年、僕にそれがやってくるのは唯一、23日だけだろう。
12月23日。
僕にとっては、この日がクリスマス本番なのかもしれない。