祭り、リズム、混沌
街を歩いていたら、祭りに遭遇した。
妙な言い方だが、僕にとっては、日常の中に予期せぬ場面が割り込んできたような形だったので、そうとしか表現できない。
とにかく、その祭り。
同じ阿呆なら踊らにゃ損々、といったタイプの祭りで、あちらこちらから様々なリズムが聴こえてくる。
1つのリズムが聴こえてきたかと思えば、また別のところから別のリズムが聴こえてくる。
大きい太鼓の音。
小さい太鼓の音。
金物系の音。
楽器の名前は知らない。
とにかく、リズムが続々と迫ってくる。
次々と入れ替わるリズムの中にあっては、リズムに始まりも終わりもない。
そして、リズムに境目もなくなってくる。
いろんなリズムが混ざり合い、リズムがはっきりしなくなってくる。
混沌とした世界。
この混沌の中に、いや、混沌だからこそなのか、エネルギーが充満している。
混沌の中に漂い、リズムとは本来このようなものなのではないか?という考えに捉われる。
混沌としたリズムの中にこそある、膨大なエネルギー。
そして、この混沌のエネルギーに、生命の誕生のイメージが重なって見えてくる。
街を抜け、祭りを抜け、鉄の乗り物に乗ってようやく、その幻影から抜け出した。