今まで築いてきた枠をずらす
昨夜は、Mr.ワリコメッツでスタジオでした。
ヴォーカルのエイジが急遽スタジオに参加できなくなってしまったため、残りの3人で練習することに。
ドラム、ベース、ギター。
この編成で練習するとなったら、そりゃもう、リズム練習するしかないでしょ!
ねぇ?
とまぁ、そんなルールはないし、そもそも、楽器編成自体いつもとそれほど違うわけでもないんですが。。。
とにかく、昨夜はみっちりリズム練習をしました。
詳細は省きますが、クリックを使っての練習。
これが、昨夜はとても有効でした。
普段なんとなく出来ている気でいたフレーズ。
なんてことはないと思っていたブレイクでの間。
それらが実は曖昧にしか把握できていなかったんだという気づきを得られた。
人間の脳って、やはり、一度なんらかの経路が出来上がるとそれが普段は有効に機能するのですが、逆にその枠から抜け出せなくなるということもあるんですね。
音楽の演奏もそう。
曲などを繰り返し演奏すればするほど演奏には慣れてくるんですが、それが出来上がると今度は逆にその枠から抜け出せなくなってしまうんです。
昨夜のクリックを使っての練習は、その枠を一度ずらしてもらう要因となりました。
慣れた曲を練習するときには、今まで築いてきた枠をずらすこと、そこがポイントではないでしょうか?
いやぁ、いい練習したなぁ。
1日1アルバム
現在の状況を打開したい。
そのようなことがここ最近、頭の中をぐるぐる回っています。
行きつ戻りつ、戻りつ行きつ。
考えても考えても答えは出ないどころか、結局いつも同じところに戻ってきてしまうかのような感覚。
考えれば考えるほど泥沼にはまってしまうというほどでもないんですが、ここはひとつ、考えることはいったん横において、ひとまず何か行動を変えてみよう、という結論に至りました。
そこで昨日から、「1日1アルバム」をモットーに音楽を聴いていこう、と決めました。
新しい行動のルーティン化です。
いや、新しい行動というほど大げさなものでもないんですが。
ただ、以前はあれほど音楽を聴くのが大好きだったのに、ここ最近はそれほど音楽を聴かなくなってしまったなぁ、とは感じていました。
それも集中して聴く時間が明らかに短い。
時間が足りないというもっともらしい理由をつけて、それで妥協してしまっていたんですね。
良くないことです。
音楽を知るのも、音楽を作るのも、音楽が上手くなるのも、まずは聴くことから始まると思います。
「1日1アルバム」は決して多い量ではありませんが、アルバムという単位に区切り、毎日最低でも数十分は集中して音楽を聴く時間を強制的に設けることは、今の僕にとっては意義のあることだろう。
そう思って、ここからスタートします。
記念すべき1枚目は、THE DOORS『Waiting For The Sun』http://amzn.to/2wvcGDWでした。
Spotifyを使い始めました
8/24の〈「所有」から「アクセス」へ〉という記事の中で、「ひとまず試しに、聴き放題のストリーミング配信サービスを利用してみるのもアリなのかなぁ」と書きました。
そして、とうとう使い始めました。
Spotifyという音楽ストリーミング配信サービスです。
これは!
正直に言ってすごいです。
最近読んだ本に、ルイス・シャイナー著『グリンプス』があります。
舞台は1980年代後半。
ステレオ修理屋を営む青年が、とあるきっかけで自分の頭の中で鳴った想像上の音楽がステレオから実際に流れてくることに気づく。
その特殊能力を使って、ビートルズや、ドアーズ、ブライアン・ウィルソンの幻の音源を現実のものにしていく。
話の内容がそんな感じだから、60年代の音楽の話もたくさん出てくるのですが、その中の一つにThe Fourmostというマージービートのバンドが出てきました。
僕は、このThe Fourmostというバンドを編集盤で数曲しか聴いたことがない。
どんな曲をやっていたのかも忘れてしまった。
そこで、まさしく使い始めたばかりのSpotifyの聴き放題リストにThe Fourmostはあるのかな?と思って調べてみました。
そうしたら。
あるではないか!
驚きました。
それこそ店頭でCDを買おうとしたらなかなか見つからないであろうくらいの知名度のThe Fourmostの音源が、こんなに簡単に、しかもかなりまとまった量を聴けるなんて。
最近は、このSpotifyを使っていろんな曲を聴く音楽ライフを楽しんでいます。
CDなどと比べてやはり音質は劣るのですが、まずなんと言っても便利です。
かなりいろんな曲が聴ける。
パソコンに取り込んだりする面倒な作業もせず、いつでもどこでもスマートフォンさえあれば4000万曲とも言われる曲を聴くことができる。
そして、たまたま出会った曲から曲へ次々と聴いていけるのが、なぜだかワクワクし、興奮する。
ネットサーフィンに熱中して気づいたらかなりの時間が経っていたというような状況に似ているのかもしれません。
興味の赴くままに音楽を探して聴いていく。
今更ながら、その楽しさにハマっています。
草加で、ライブします。
Mr.ワリコメッツの京都拾得でのワンマンライブを終えてから、早いものでもうすぐ2週間が経ちます。
そして今日、そのワンマンライブ後初めてのライブが、埼玉県は草加にある「SOUL BAR POO」というお店であります。
今回出演するイベントは、数年来のバンド友達であるロンボトランヒップショットが毎年この時期に開催する【BEER? or STOMP?2017】というもの。
毎年twitter上に流れてくる情報が気になっていただけに、今回呼んでもらえて嬉しい限りです。
初めて出演するイベント。
初めて行くお店。
初めて行く街。
ワクワクすること盛りだくさんです。
初めてということに関連して言わせていただくと。
ワンマンライブで発売開始したMr.ワリコメッツの新しいミニ・アルバム『oh!ピピッポ』。
今日はその『oh!ピピッポ』が関東圏で発売される初めての日でもあります。
今のところは、ライブハウスでメンバーから直接買うしか方法がないという、超レア音源です(笑)。
とまぁ、宣伝も挟みつつ。
関西での初ワンマンライブという、僕らにとっては一つ大きなことを成し遂げたあとの最初のライブって、どういうモチベーションでやっていくのか、なかなかに難しいことだと感じたりします。
大いなるプレッシャーの元、大きなことに向けてがむしゃらにやっていたのが一転、ひとまず日常に戻ったのですから。
もちろん先には大きな目標もあったりしますが、今目の前に差し迫ったことがないと、意外と簡単に気が緩むものですよね、人って。
「よしっ!」と気合の入る瞬間もありますが、それがなかなか長くは続かなかったり。
でもね。
それならそれで良いんじゃないかな、というのが今の心境です。
緊張感のあるヒリヒリしたステージも良いけど、ちょっと緩やかで余裕のあるステージも良かったりしますよね。
肩肘張らず、緩やかに楽しむ。
それこそ音楽の最高の楽しみ方の一つです。
そう考えると、なんだか今日という日がもっとワクワクしてきました。
人の気持ちって、なんだか単純ですね(笑)。
というわけで、そろそろ準備にかからなければ。
なにしろ今日は草加まで行くんですから。
「所有」から「アクセス」へ。
「所有」から「アクセス」へ。
レコードやCDなどのモノを「所有」することで享受されるものであった音楽が、それらのモノを所有することなくインターネット上のデータベースに「アクセス」して享受されるものへと変化しつつある。
そんな時代の趨勢を表した言葉として、最近いろんなところで見かけるようになりました。
あるいは、「所有」から「共有」へ、「所有」するものから「参照」するものへ。
言葉は様々ですが、言わんとすることは一緒です。
つまり、音楽を「所有」して聴く時代はもう古い、と。
その分かりやすい例として、一時はCDバブルとでもいうべき90年代をピークとして、もはやCDは売れない時代になったと言われます。
いや、実際に売れてないんですね、枚数としては。
代わりに2000年代はダウンロード販売の売り上げが伸び、今はそれすらも古いものとなり、聴き放題のストリーミング配信サービスが主流になりつつあるようです。
僕も以前は、CDをかなり買っていました。
まだ聴いていないCDが山積みになっているにもかかわらず、さらに欲しいCDが増えて新しいCDを買ってしまうようなことも日常茶飯事。
CDを聴くことよりも、むしろ買うことの方が好きなのではないか?
そう疑われてもおかしくない状態でした。
それが今や、CDを買うことがほとんどなくなりました。
今まで聴いたことがない音楽へのアンテナが弱くなったのも一因かもしれませんが、そればかりでもありません。
既に大量の音楽を「所有」していて、それらをもしもう一度全て聴きなおすということになったとしたら、どれだけの時間がかかることでしょう。
「所有」していないCDでもレンタル店に置いてあるようなものだったら、気楽に借りてきてiTunesにダウンロードし、簡単に何度も聴くことができます。
新しい情報を知れば、YouTubeで気楽に検索して、どんな音楽なのか、簡単に聴いてみることもできます。
既に保存場所に困るくらいのCDがあるので、これ以上モノを増やしたくないという事情もあるでしょう。
そんないろんな要因があるので、モノを持つことなく、いつでもどこでも聴きたい音楽に気楽に「アクセス」できるのはとても魅力的に感じるようになりました。
それでも僕はまだ、聴き放題のストリーミング配信サービスを利用してはいません。
その時に聴きたい音楽が、聴き放題のリストの中にあるのか不安もあるし、CDを買ったりレンタルしたりする、慣れ親しんだ方法から抜け出せないだけなのかもしれません。
本当に好きな音楽は、やっぱりモノとしても「所有」したいという願望もまだ心のどこかに残っているのでしょう。
音楽の享受され方はこれからどう変わっていくのでしょうか。
その先には、今はまだ思いもよらない新しい道がある可能性だってあると思います。
そして、そういう変化に対して、音楽を発信する側の一人として、どう対応していくのが良いのか。
どう発信していくのが、楽しくてワクワクすることなのか。
音楽を享受する側の一人として。
音楽を発信する側の一人として。
その両面から、新しい環境の変化に関わって考えていくのは、なんだか楽しいことに感じます。
今の時代を生きている感じがします。
ひとまず試しに、聴き放題のストリーミング配信サービスを利用してみるのもアリなのかなぁ、と思う次第です。
「日本のロックやポップスのみに影響を受けて自らの音楽を生み出す」という衝撃
「00年代、10年代以降は、J-POPを聴いて育ち、洋楽にはほとんど触れず、日本のロックやポップスのみに影響を受けて自らの音楽を生み出すタイプの作り手が増えている。」(柴那典著『ヒットの崩壊』)
昨日これを読んで、この事実を知って、僕はかなり衝撃を受けました。
その代表例は、いきものがかりだそうです。
なぜ衝撃なのか。
洋楽を聴く事は僕にとって当たり前のことだったからです。
特に、自分で音楽を演奏したり音楽を作ったりする人は、当然洋楽を聴くものだし、むしろ聴かなければならないものだと思っていました。
邦楽は音楽のライトユーザ用、洋楽は音楽のヘビーユーザー用、そんなイメージを持っていました。
僕も始めから洋楽を聴いていたわけではありません。
例えば高校生の頃、つまりまだバンドをやっていなかった頃、チャート上位に来るような日本のロックやポップスばかりを聴いていました。
テレビドラマやCMで使われているのを聴いて、好きになる曲が多かった思います。
中でも好きだったのは、ミスターチルドレンとかサザンオールスターズ、スピッツ…
その後バンドを始めて、「こんなにかっこいいものがある」と当時の仲間たちから教えられて洋楽を聴くようになっていきます。
オアシス、レディオヘッド、レッドホットチリペッパーズ、レイジアゲインストザマシーン…
日本のロックでも、好みが変わっていきました。
AIR、ミッシェルガンエレファント…
そして本気で音楽をやるならば、「やっぱり今のロックだけじゃなく、歴史を築いてきたロックの名盤を聴かなければダメでしょ!」ということで、「ロックの名盤100選」のような雑誌などの情報を手掛かりに、古い洋楽も聴くようになっていきます。
その頃になると、「日本のロックやポップスなんか聴いている場合ではない」という、今思えば偏見とも言えるほどの風潮さえ、僕の周りには出来上がっていました。
その後だんだん、60〜70年代の音楽にハマり、それより新しい時代の音楽を聴かなくなっていくのですが、その話はここではひとまず置いておきましょう。
なぜこんな話をしたかというと、僕にとって洋楽を聴くのがどう当然だったのかを説明したかったからです。
僕個人の事例に引きつけての話になりましたが、これはなにも僕の周りに限った話ではないでしょう。
程度の差こそあれ、日本の音楽シーンは洋楽からの影響がとても強かったはずです。
そして、世は変わり、「日本のロックやポップスのみに影響を受けて」音楽を作る人が増えてきたという。
「音楽をめぐる環境は本当にどんどん変わっていってるんだなぁ、置いていかれないぞ」などと決意のひとつでもしてくなる気分でした。
ワンマンライブ
ちょうど1週間前、京都にある拾得というライブハウスでワンマンライブをしてきました。
Mr.ワリコメッツというバンドで、です。
拾得は老舗のライブハウス、日本で一番古いライブハウスとも言われています。
普通のライブハウスとはかなり違っていて、大変興味深い。
築300年の、もともと酒蔵だった建物を改装したらしく、古い木造の建物で鳴らす楽器の音は最高です。
今回ワンマンライブをやって感じたのは、「ワンマンライブってやっぱりいいなぁ」ってこと。
僕らのような環境で活動しているバンドにとって、他のバンドと一緒にイベントを組む、いわゆる「対バン」という形式が一般的です。
中でも4〜5バンド出演というイベントが最も一般的でしょうか。
3バンドだとスリーマンライブ、2バンドだとツーマンライブなどと、わざわざ言ったりします。
イベントの時間は限りがあるので、出演するバンドの数によって自分たちがライブできる時間の長さも当然変わってきます。
ワンマンライブだと2時間くらい、2〜3バンドだと1時間くらい、それ以上だと30分くらい、こんな感じです。
ワンマンライブと対バンライブでは、どんな違いがあるでしょうか?
まず、ワンマンライブの場合はイベント全体を自分たちでコントロールできます(コントロールのうまい下手はあると思いますが)。
対バン形式だと、コントロールできるのは自分たちのライブ時間だけ、イベント全体は他のバンドのライブによって雰囲気が変わってきます。
また、ワンマンライブに集まる人は基本的にそのバンドが好きな人たち、少なくとも興味はある人たちですよね。
それが、対バン形式だと自分たちのことを知らない人たちもその場に集まってきます。
結局興味を持ってもらえなくてなんとなく白けた雰囲気になることもありますが、うまくハマってその後につながる偶然の出会いなんかも生まれたりします。
そして、ワンマンライブは比較的長めの時間で自分たちの世界を表現していくのに対し、対バン形式だと短い時間で自分たちの世界を表現しなければならなくなります。
複数のバンドが出演するので、他のバンドとの比較が生まれるというようなこともあったりします。
と、ワンマンライブと対バン形式の違いをいくつか挙げてみました。
こういうところから、音楽の現場から、僕たちを取り巻く音楽環境について考えるのは興味深いことです。
切り口はいろいろあるでしょうが、僕たちを取り巻く音楽環境のこれからについて考えていきたいなと思っています。
そして、その考えたことを表現することに繋げていきたい。
それが今回、言いたかったことです。