真似することの威力を思い知る
まなぶ(学ぶ)とは、まねぶ(真似)から来ていると言われる。
なにか新しいことを学習しようとする時、まずは真似することから入るのが基本ということである。
真似する対象を、何度も見たり聴いたりしてよく観察し、同じようにやってみる。
でもうまくいかない。
どこがどう違うのか?
もう一度よく観察して、「あ!ここかな?」というポイントを探し出して、もう一度チャレンジしてみる。
こうしたことを繰り返すうちに、学習しようとしたことがだんだんと身についてくる。
技術的なことを含めて、トータルで学ぶことができる。
と、こういった寸法である。
昨日、神田桂一・菊池良一著『もし文豪たちがカップ焼きそばの作り方を書いたら』という本を読み終えた。
蓋を開けて、かやくとソースを取り出し、かやくを入れて、お湯を注いで5分待ち、湯切りして、ソースを混ぜて食べる。
この一連の流れを、およそ100通りの文体を真似して書く、というコンセプトの本だ。
真似する対象は、過去の有名な文豪から現代の作家まで、あるいは特徴的な文体を持つ雑誌から文化人まで、そのラインナップは実に豊富である。
そして、同じ内容を書いているのに、切り口と文体が違うだけで、こうも文章が変わるのか!と驚いた。
そして、面白かった。
真似することの威力を思い知った。
音楽を学ぶ時も、何度も聴いて真似してみる、いわゆる耳コピが大事ではないかと思う。
徹底的に真似してみること。
そして、いろいろなスタイルを真似してみること。
やはりここに行き着くのである。