それでも音楽の話をしよう

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飛躍こそ、作品の命!?

杉晴夫著『人類はなぜ短期間で進化できたのか 〜ラマルク説で読み解く〜 』(平凡社新書)という本が面白かった。

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前半は、生物学的な見地から人類の進化を、ダーウィンではなくラマルクの進化論の立場から考察し、後半では、文明を持つに至った人類の、有史以降の文明社会の進化を“天才”をキーワードに読み解く。

独自な視点であるし、強引で飛躍のある議論なのかもしれないけれど、本はこれくらいの方が面白い。

飛躍にこそ、仮説や作品の命が宿るんだなぁ、なんてことを思ったりした。

 

私見では、大多数の人類は、生活レベルが彼らにとって満足できると感じられると、もはや進歩を欲せず伝統的な習慣を続ける性格をもつ。

 

このように人類には、伝統的な生活をひたすら維持し、これを積極的に変えようとしない強い傾向がある。(中略)人類が社会を形成した後、自然環境に取って代わった社会環境への「適応者」は、いわゆる「平凡人」となったのである。

 

ここで筆者は人類の進歩における「天才」の果たした役割を痛感せずにはいられない。天才とはどんな時代でも、現状に安住する大多数の人々に背を向けて自分のやりたいことを見出してこれを成し遂げ、彼の成し遂げた仕事が後の文明の発展に大きく貢献する。