理想像と葛藤
「こうなりたい!」
「こんなことがやりたい!」
「こんなドラムが叩きたい!」
人は皆それぞれに、自分の理想像というものがあるだろう。
そしてそれは、必ずしも思い通りにはならない。
理想を持ってチャレンジしたみたけれど、現実にはできなかった。
形にはしてみたけれど、理想像とは似ても似つかなかった。
それとも、時間がなくてチャレンジすらできなかった、なんてこともあるかもしれない。
生きていれば、思い通りにならないことだってある。
いや、むしろ、思い通りにならないことの方が多いかもしれない。
そうやって葛藤を抱えながらも、僕らはなんとか生きていく。
葛藤を抱えていても、時間は僕らを待ってくれない。
ロボットのような冷酷さを持って、時は一定のテンポを刻んでいく。
時が来れば、予定されているリハーサルに参加しなければならないし、ステージにだって立たなければならない。
どんな葛藤を抱えていたとしても。
むろん、その葛藤がステージに表れるとは限らない。
それを感じ取る人がいるかもしれないし、いないかもしれない。
結局それは、ステージにとってはどうでもいいことかもしれない。
理想像がある。
現実がある。
そしてそこには、葛藤がある。
それは素晴らしいことなんだ!と思う。
生きているから葛藤がある。
葛藤があるからこそ、ステージが生きる。