それでも音楽の話をしよう

音楽の話題を中心に、アイデア、ひらめき、日常を書き記していきます

身体全体が楽器、というイメージ

鴻上尚史著『発声と身体のレッスン』を読む。

サブタイトルは〜魅力的な「こえ」と「からだ」を作るために〜というもの。

演劇人による、発声についての本だ。

鴻上氏は言う。

“僕の考える「正しい発声」とは、「あなたの感情やイメージがちゃんと表現できる声を手に入れること”だと。

演劇における発声の本だけれど、これはそのまま「歌を歌う」ための発声にも応用できる。

 

声を出すためには、まず「息」をはき出すことが求められる。

安定した「息」を得るためには、腹式呼吸をすることが有効。

そして、はき出す「息」によって空気の流れを作り出し、声帯を震わせる。

音とは、空気の振動である。

声帯を震わせることによって生まれた振動が、声になる。

また、舌や唇の動きによって違いを生み出し、それらが様々な発音を生む。

声は、時に鼻に響かせ、時に頭に響かせて、いろんな声色に変化する。

 

僕は今まで、発声に関するレッスンなどを受けたことがない。

だから、発声のメカニズムを知り、それらを自らのイメージに取り込むことは、新たな発見があってとても面白く感じる。

「鼻に響かせる」などと聞くだけで、視点が変わり、多くの気づきが得られたりする。

ワリコメッツのスタジオでもメンバーがたまにそういう話をしてくれることがあるが、そんな時は「なるほどな〜」と妙に感心して、話を聞いてしまうものだ、

ただ、感心はするけど、再現は難しい。

 

歌を歌うことは、身体の様々なところを響かせ、振動させるという意味でも、身体全体を楽器にすることである。

普段はただなんとなく歌ってしまうことが多いけれど、これからは「身体全体を楽器にする」というイメージを持って取り組みたいものだな、と思う、今日この頃。