『漣流』、草野昌一×漣健児、を読んでいる
1960年代初頭。
それはビートルズの流行が日本にもやってくる前の時代。
アメリカン・ポップスを中心とした、今で言う「オールディーズ」という音楽が日本でも流行っていた。
それらの曲に、日本語に訳した詞を乗せて歌う「日本語カヴァー・ポップス」がもてはやされた時代があったという。
その訳詞は正確な訳ではなく、大胆に意訳したものだった。
それが独特な世界を作り、のちの日本の音楽界に与えた影響は計り知れない。
その日本語カヴァー・ポップスの訳詞の中心的役割を担っていたのが漣健児である。
本名を草野昌一という。
この辺の事情を、わりと最近に知った。
ここ1、2ヶ月くらいの話だ。
そして今、和田彰二著『漣流』という本を読んでいる。
読み始める前は、この本は訳詞家としての漣健児に焦点を当てたものだと思い込んでいたのだけど、読み進めてみるとそれは最初の一部分だけで、それよりもビジネスマンとしての草野昌一に焦点を当てた本だということが分かってきた。
音楽出版、原盤制作。
これらの言葉は何度読んでも未だによく理解できないのだけど、音楽をお金にする、音楽家にとって、いや音楽業界全体にとっても重要なシステムであることは分かる。
しかし、音盤が売れない昨今、これからも重要なシステムであり続けるかどうかは分からない。
歴史を知ってこれからを考える、いい機会。