読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

ひろやのブログ

バンド活動、音楽のこと、本のことなどを通して、日々考えたことの記録

好きなことだけして生きていけたら、という罠(『フォン・ノイマンの生涯』を読んで)

図書館で借りてた本の返却期限が迫ってたこともあって、ここのところかかりきりになってた本があった。

ノーマン・マクレイ著『フォン・ノイマンの生涯』。

フォン・ノイマンはコンピューターの基礎を作った数学者とも呼べるような存在で、この本自体はタイトルに「生涯」とあるように伝記ではあるのだけど、話題はどうしても数学や物理、あるいはゲーム理論とか計算機とか、難しくて理解できないようなものにも及び、さらに文章量も結構あったので、読むのにとにかく時間がかかった。

数学や物理というと、もうその言葉だけで拒否反応を起こす人もいるけれど、僕は数学に関する本を読むのは好きだ。

話題に出てくる数学の中身はよく分からないし、数式が出てきたらチンプンカンプンなのだけれど、想像力が刺激される感覚を味わえるのがいい!

数学で一番大事なのは想像力(創造力)だと勝手に思っている。

虚数iってあったけど、あれはイマジナリーナンバー、つまり想像上の数ということ。

高校生の頃など数学の授業についていけなくなったものだけど、あれは想像力が足りなかったからだと今になっては思う。

 

それはともかく。

 『フォン・ノイマンの生涯』。

19世紀後半〜20世紀初頭のハンガリーの雰囲気など興味引かれる話題が多数あり、難しくて時間がかかったけれど、期限内になんとか最後まで読み通すことができた。

その中に、アメリカはニュージャージー州プリンストン高等研究所というところの話があった。

普通、大学などで働く研究者は、学生を教えたり、その他雑務もあったりして好きな研究に十分な時間が使えなかったりするものらしいが、このプリンストン高等研究所はそんな雑務から研究者を解放して自由に自分の好きな研究に没頭させてあげようという狙いを持っていた。

研究者にとってそんな理想的な環境ならさぞ素晴らしい研究の数々が生まれただろうと思いきや、案外そうでもない面もあったという。

人はそういう悠長な環境にあると、どうも良いアイデアが浮かんでこないらしい。

この感じは、身に覚えがある。

やるべきことが多く時間に余裕がない時は、「もっと自由な時間があればもっと音楽たくさん聴いて、もっと練習したり曲作ったりして、もっと良いライヴもできるのに」と思うのに、自由な時間がたっぷりあると、どうもやる気が起きなくてダラダラ過ごしてしまうという類の経験。

あるいは時間に余裕があると、いろんなことを考えたりして思い悩むのに、いっこうに突破口が見つからないとか。

普段僕たちは「生活のための仕事なんてしないで、自分の好きなことだけして生きていけたらどんなにいいことだろう」なんて思ったりするものだけど、プリンストン高等研究所のエピソードを読むと、それも考えものだなぁ、と思う。

人にはやはり、様々な刺激が必要なのだろう。

場合によっては制約があった方がいいこともある。

追い込まれることで人は進歩する。

と、連想がさらに広がってしまいそうなので、今日はこの辺で。